山梨県食品技術研究会は、山梨県内の産・官・学の食品技術に関する研究集団として昭和60年7月12日の設立総会をもって発足しました。
わが国の食品需給は、国民所得や生活文化の向上とともにますます高度化、多様 化、高品質化する傾向にあり、食品工業においては、これまでにも増してその動向の
的確な把握と迅速な対応に迫られることは必至で、なかでも技術基盤の強化は急務と 思われます。
しかしながら,大方の中小食品工業の技術開発体制には大幅な遅れが目立ち、他産業に比べて低い水準にあるといわれています。このことは本県とて例外ではありませ
ん。
本県の食品業界は、首都県域としての立地特性、観光県としての自然、物産などの 風土特性などに支えながら、旺盛な企業努力によって本県産業2位にあるものの、今
後の環境変化や、急速な技術の進歩、特に昨今の先端技術としてのメカトロニクスや バイオテクノロジーなど高度かつ広範な分野の対応を考えますと、これまでの企業独
自の取り組み体勢には自ずから限界のあることは明白であります。その対応として、 山梨という共通の地域事情に立って、企業間やそれに関係大学、公設研究機関などを
含めた相互の技術協力や情報交流の必要性が痛感されますが、これらの連携は極めて 限られているのが現状です。
そこで、本県の食品と食品工業にかかわる企業の技術者や企画開発担当者、大学、 官公庁、関係団体の研究者が集結し、現状と将来展望に立って、新しい知識や技術を
修得するとともに、会員相互の専門領域の理解を含めて知識、情報の交換及び活用を はかり、本県の食品と食品工業の相乗的な発展と、いわゆる「産・学・官」の連携の
実をあげることをねらいに発起人一同この会を企画した次第です。
昭和60年5月22日
発起人 四条 徳崇 (山梨県立女子短期大学)
武田 輿光 (武田食糧株式会社)
伊藤 守 (白麦米株式会社)
横塚 弘毅 (山梨大学)
斎藤 寛 (株式会社シャトレーゼ)
中西 正喜 (山梨学院短期大学)
細川 勝人 (三協乳業株式会社)
香山 聡 (宮坂醸造株式会社)
雨宮 典儀 (山梨県食品工業指導所)