会長挨拶

この度、遠藤好司前会長のあとを受けて会長に就任いたしました。初代会長の故中山大樹山梨大学教授を始め各歴代会長が、会員の皆様と共に作り上げてきた実績を踏まえ、さらに発展させるため、任務を遂行できますよう会員各位のご支援をお願いいたします。
さて、山梨県食品技術研究会は昭和60年7月12日に設立されてから今年で33年目を迎えるに至りました。この研究会は、山梨に居ても最新の食品技術情報を得たいとの要望を踏まえ、山梨県内の産・学・官の研究者・技術者・技術開発担当者等が集結し、設立されたものであります。
この間、会員各位の要望を踏まえ、その時代、時代に注目されたホットな話題に焦点をあて多くの技術講演会等を開催してきました。設立当初はバイオテクノロジー、また最新加工技術たとえば氷温貯蔵、マイクロ波加熱、遠赤外線、膜利用、超高圧、無菌包装などのテーマが中心でした。その後、平成8年に腸管出血性大腸菌O−157による大規模食中毒事件に端を発し、食品の安全性や微生物制御、HACCP、異物混入防止技術等に関する話題が多くなりました。その後は消費者の健康志向に伴い、食品素材の機能性や特定保健用食品等に焦点をあてたテーマが多くなってきたかと思います。
日本の今後の食を巡る状況を考える上で、出生数減少に伴う少子化と高齢者の増加は大きなポイントかと思います。当研究会が歩んできた33年にあたる2050年には、国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2017年)」によりますと、出生数は2016年の92.5万人から55.7万人と36.8万人減少。一方、高齢者(65歳以上)の割合は2016年の約27.5%から2050年には約38.8%に増加すると予想されています。すなわち、人の胃袋の大きさに依存する食品にとって量的な追及は望むべくもなく、今後は、安全性はもちろん、ますます質、美味しさ、健康機能性、調理済み、簡便さ、少量目化等が食品には求められていくのではないかと思います。
当研究会は、現在食品企業、大学、高校、公設試験場等の会員140余名から構成されております。研究会活動は、高所から幅広い食情報を提供する特別講演会、最新の技術情報を提供する技術講演会、さらに隔年置きに開催する工場見学会が主体でありますが、会員各位からのご要望、ご意見を伺う中で運営していきたいと思います。今後ともご支援とご協力のほどお願い申し上げます。(平成29年7月26日就任)
山梨県食品技術研究会 会長 辻 政雄(つじ まさお)
主な活動内容
1.総会及び特別講演会
2.特定技術や安全性に関する講演会
3.工場見学
4.海外研修
5.各種団体との連帯事業